通夜と葬儀の礼状マナー

通夜と葬儀の礼状マナー
忌明けには、通夜や葬儀に参列してくれた人に、無事に忌明けを迎えたお礼の手紙を送ります。一般に49日の忌明けに合わせて送ります。即日返しをしていなかったり、即日返しをしたが、好学の香典をいただいた場合やとくにお世話になった人には、礼状と一緒に改めて香典返しを配送することがあります。

お礼の代わりに寄付をしたり、遺族の事情で香典返しをしないときは、その旨も礼状に明記します。49日だけでなく、57日などの忌日を期して行うこともあります。

服喪について
服忌、服喪といいますが、これは49日の忌中の間と、1年間の喪中の間、お祭りなどには参加せずに、身を慎んで、死者の弔いに専念することをいいます。死は「穢れ」であり、これに染まった遺族は、一定期間は家にこもっていなくてはいけない、という、穢れと清めの思想の影響もあります。

しかし、30日、50日、100日といった服喪は世界各地の風習にも見られることです。最近では服喪とは、家族を喪失して、悲嘆のなかにある遺族の心情を思いやって「遺族は一定期間、悲しむことや弔いに専念してよい」という公的な承認としてある。という理解が広まっています。現在では、服忌も服喪も形骸化し、あまり守られていませんが、遺族の悲しみへの配慮は忘れないようにしたいものです。

葬儀後の形見分け

葬儀後の形見分け
49日を過ぎたら遺品を整理し、形見分けとかわづけをします。

形見分け
親族や故人と親しくしていた友人に、故人の愛用品を記念として贈るならわしを形見分けといいます。形見分けは、相手に喜ばれるようなものにします。形見分けをするのは、ごく親しい関係の人が対象ですが、それも相手を選ばないとかえって迷惑になることもあります。贈る物と相手は慎重に選ぶようにします。先方の意向を確かめてもよいでしょう。

高価なアクセサリーなどは、故人の財産ですので、相続が確定する前に勝手に処分すると、後でもめごとの種になります。贈与税が発生することもあるので、形見分けには不適切です。品物は、全く包装しないか、奉書紙に軽く包む程度にします。また、目上の人に形見分けするのは失礼とされています。

きれいな着物だけど柄が時代遅れ・・・・などという場合はリフォームしてから贈るとよいでしょう。和装小物店、リサイクル店では、持込の着物生地からバッグや小物入れをつくってもらうことができます。

そのほかの故人の遺品は、保管するものと処分するものとに分けます。手紙や日記、手帳、住所録は、あとで必要となることもあるので、保管するようにします。故人の仕事に関する書類は最低7年間、保存しておく必要があります。後で過去の所得税が問題になることがあります。

マナー事典 葬儀後のマナー
冠婚葬祭マナー事典

葬儀後の引継ぎ

葬儀後の引継ぎ
葬儀が終わると、お手伝いしてくれた人から、事務の引継ぎを受けます。次にあげるものを、それぞれの担当者から受け取ります。
・香典
・香典帳・供物帳
・芳名帳
・弔辞・弔電
・出納帳・領収書・残金
領収書や香典はその場で整理して、香典帳や出納帳などと照合し、もれがないか確認します。

お手伝いの人からの引き継ぎは、宴席の途中で行うのではなく、宴席の終了後に行います。宴席の途中で行う場合は個室で行いましょう。

葬儀の翌日か翌々日には、喪主が直接に寺社や教会に伺い、お礼をします。故人の恩人や葬儀で世話になった人たち、町内会なども訪問し、お礼を言います。とくにお世話になった人には菓子折などを持参します。自宅で葬儀をした場合は、近所の人にも大勢の弔問客や車両の出入りで迷惑をかけます。おわびとともに無事に葬儀が終えたことを報告します。

あいさつ回りは初7日までにすませます。服装は喪服でなくてもかまいません。あいさつ回りができないときは、礼状を送ります。

故人の会社を訪問するとき
故人が会社などに勤めていた場合は、勤務先に事務手続きを兼ねてあいさつに伺います。事前に人事担当者に適当な日時を問い合わせて、必要な書類や印鑑を持参しましょう。勤務先で行う事務手続きには、次のようなものがあります。

・厚生年金遺族給付請求手続き
・健康保険葬祭料の請求手続き
・死亡届など必要な書類の提出
・団体生命保険、退職金・社内預金などの手続き
・バッチや身分証明書などの返却
・(必要に応じて)労災保険の申請

故人の私物も、この機会に引き取りましょう。

香典返しをしない場合

香典返しをしない場合
香典返しは必ずしなくてはいけない、というものではありません。一家の家計を支えていた人が亡くなった場合は、香典返しの費用を、残された遺族の生活費や教育費にあててもよいでしょう。故人の遺志で、老人福祉施設や病院の研究施設、福祉団体などに寄付するケースもあります。

「香典返しをするのは当たり前」という風潮があるので、香典返しをしない場合は、その理由をしたためた礼状を会葬者に送るのがうよいでしょう。

最近の傾向としては、カタログを送付し、先方に品物を選んでもらう「チョイス・ギフト」という方式が増えています。また香典が高額だった場合には、商品券を贈るケースが増えています。

会社への香典返し
故人が所属していた会社や団体名義で、香典をいただくことがあります。この場合は、香典返しの必要はありません。故人の遺品の整理で伺ったときなどに、お礼を言えばいいでしょう。会社の課単位などで、まとめて香典をいただいたときには、代表者に「皆さんのお茶代に」とビール券などでお礼する方法もあります。

寄付をする場合
香典返しの費用を寄付にあてるとしたら、特定の宗教団体や政治団体は避け、福祉施設や病気の研究施設など、公共の福祉に関係するところに寄付するのがよいでしょう。寄付をすると、たいてい、折り返し感謝状が送られてきます。

香典返しのマナー

香典返しのマナー
香典へのお礼として品物を贈る風習を香典返しといいます。香典は本来、葬儀にかかる多額の出費を皆で補い合い、遺族の経済的負担を軽くするという、助け合いの意味を持つものですから、お返しをしなくてはならないという性質のものではありません。

35日、または49日の忌明け後に、あいさつ状を添えて贈ります。品物には、黒白の水引のついたかけ紙をかけ、「志」と表書きします。

神式の場合
50日祭の後に贈ります。表書きは「志」となります。

キリスト教式の場合
とくに決まりはありませんが、死後1ケ月目の命日に贈り物をすることが多いようです。その場合の表書きは「記念品」となります。

最近では忌明けを待たずに、葬儀当日に香典返しをする即日返し(その場返し)が増えています。

品物の額は、香典の1/2〜1/3が一般的です。香典の額と同額では、相手の好意を無にするという考え方によるものです。かつては香典返しには消耗品を選びました。置物のようにのちのちまで残る品は、悲しい思い出を残すと考えられていたからです。タオルやお茶、寝具などといった生活必需品が、多く用いられています。

タオルなどはどこでも使われるので余ってしまう、という理由から故人を記念するような品が、贈られることも増えてきています。

マナー事典 香典のマナー
冠婚葬祭マナー事典

葬儀費用

葬儀費用
葬儀費用は式場と地域によって異なります。葬儀費用はおもに次の3つに分類できます。
・業者への支払い:祭壇や棺など。火葬料も含まれます。
・寺社などへの謝礼:寺院へのお布施などです。
・飲食代:通夜ぶるまいや精進落としの料理と飲み物代です。

式場によって、葬儀費用に大きな開きが出ます。一般に寺院で葬儀した場合は高くなりがちです。自宅や集会所を利用すれば、式場代はかかりませんが、手伝いをしてくれた人へのお礼の費用が意外にかさむことがあります。工夫すれば香典だけで葬儀費用をまかなうこともできます。

葬儀の風習は地域によって異なるので、費用にもかなりの地域差が出ます。

香典返しの「即日返し」とは
香典返しを、通夜や葬儀の当日に贈ることを即日返しといいます。その場で手渡しするため香典帳の整理が不要である。配送料がいらない、といった理由から、急速に定着しつつあります。

即日返しをする場合には、相手の香典額がわからないうちに品物を渡すことになります。とりあえず、一律の額(2,000円〜3,000円程度が一般的)の品物を、式場の出口で会葬者の帰り際に、配るようにします。香典がとくに高額だった人には、忌明け後に改めてまた別の品物を贈ることもあります。

葬儀のお礼をする

葬儀のお礼をする
葬儀がすんだら、あまり日を置かずに、直接寺院(神社、教会)を訪れ、お礼をします。お礼(お酢施)は、遺族の感謝の気持ちの現れですから、金額の規定はふつうありません。

仏式の場合
お布施は授戒、通夜、葬儀、火葬に出仕していただいたことに対して一括して渡します。ただし、御車代や御膳料は別に包みます。封筒の表書きは「御布施」とします。

神式では
斎主、祭員、楽人それぞれに謝礼を包みます。表書きは「御祭祀料」もしくは「御神餞料」とします。

キリスト教式では
教会に対して、記念の献金をします。表書きは「献金」とします。これとは別に、牧師(神父)やオルガン奏者にもお礼をします。この場合の表書きは「御礼」または「謝礼」とするのが一般的です。

謝礼を白黒の水引のかかった不祝儀袋に入れて渡す人がいますが、葬儀は寺院や神社、教会の側の不幸ではありません。白い封筒に包んで手渡します。

いくら包めばよいか分からないというときは、葬祭業者に相談すれば、地域の慣習などを教えてくれます。宗教者に直接相談してみてもよいでしょう。宗教者への謝礼も葬儀費用として、相続財産から相続税の控除の対象となります。必ず領収証をもらっておきましょう。

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